今回はそれを受けて学習指導要領がどう変わったかをまとめていきます。
平成14年に学習指導要領は再度改訂されました。
学習内容が変わらずに時間だけが減ったために学力格差が拡大したのであれば、
時間だけを減らすのではなく学習内容も減らしてしまえとなったわけです。
結局学習内容は3割も削減されました。
具体的には
1.円周率の計算が3.14から3になった。
2.ルート学習がなくなった。
3.台形の面積の求め方がなくなった。
4.解の公式がなくなった。
等です。
それに伴い小学校の算数の時間は175時間から150時間に再度短縮されました。
そして完全週5日制になり土日が休みになったのです。
また、時間割の中に総合学習という時間を設け、先生が何をやってもいいという時間割が設定されました。
極め付けは相対評価から絶対評価へと変わったことです。
相対評価とはクラスの全体成績の中で本人がどのレベルに属しているかで決めるものです。
評価は1〜5まであり、上位7%が評価5、下位7%が評価1という具合に分けられます。
下が各評価設定です。
5 7%
4 24%
3 38%
2 24%
1 7%
これに対し絶対評価とは全体成績とは全く関係なく本人の学習成績等によって評価が決まります。
例えばA君とB君がいます。
前期末成績でA君は80点、B君は50点でした。
後期末成績でA君は75点、B君は70点でした。
さて、評価はどうなるでしょうか。
・・・
A君は4、B君は5となるわけです。
これは一例で、絶対評価は先生次第なので基準は先生毎に異なります。
前回成績に対しての次回成績の比率によって決まるというわけでもありません。
学習態度等も総合的に見て先生の主観で決めていきます。
相対評価と絶対評価のどちらがいいかは賛否両論ありますが、
一つ言えることは他人との競争がなくなったことです。
結果的に学習内容が減り学習時間が減り競争しなくなったわけです。
ゆとり教育はこうして完成しました。
ゆとり教育世代が社会人になり上司や先輩から根性がない、覇気がない等と最近よく言われていますが
育ってきた環境を考えると当然だと言えるでしょう。
次回は現在までのその後の展開をまとめていきます。

家庭教師のノーバス

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